サムライブルー
大切な大切な、愛して止まない怒髪天が、怒髪天として再び歩き始めた尊い曲。
彼らはこの曲を届けるために、私達の前に現れたのだろうか。
この唄をこうして唄っている俺達が見えるか、ここに居る、と。
「サムライであれ」と。

「サムライブルー」。
強くあり、戦い続けるサムライでさえとらわれる憂鬱や悩みや葛藤。
隊を組んでいたとしても、いざ敵と戦う時には1対1。
どんなに屈強なサムライでも、どこかに恐怖や孤独感はある。
それでもなおかつ、そんな弱さを心の奥底に閉じ込めて、独り強く在りつづけるのがサムライなのである。

自分の中の熱い熱い心に忠実に、熱く居られる場所を探す。
この滾る想いをぶつけられ、応えてくれる場所は何処にあるのだ。
違う。こんなものではない、求めているのはこんなシラけたところではない。
今度こそはと信じ砕ける度に、落胆が悲しみへ孤独へ変化する。
うまくいかないのは自分のせいなのか?そんな疑問さえ芽生えてくる。

誰のせいでもなく人は悲しいのなら
あなたは、流れゆくこの日々に何を刻み込み何処へたどり着こうとするのですか。
言い訳のつかない悲しみと向かい合い、自ら背負い、
人は弱いものだ、それを抱えて生きてゆくのだと思い知り覚悟をする。
そのうえで求める処へたどり着きたい。
人は皆傷を持ち、それを隠しながら強くあれと生きている。
こんな悲しい思いはもう二度としたくない。
強さに代わるぐらいのこの思いを携えて、だからこそ意固地なぐらいに弱さを頑なに隠し続け傷に蓋をし続けて、
強さというものにたどり着きたい。
自分の心の火に従い、その照らす方向を正しいと信じて自分が望む居場所と呼べるところを探し当てたい。
私はそうしたい。

悲しみに打ち勝ち孤独に打ち勝ち、
自分に「よく頑張ったな」と声を掛けることのできるその舞台に立てることなどないかもしれない。
自分の居場所などどこにも見つけられないかもしれない。
いつまでも悲しみと孤独に怯えて震え続けるのかもしれない。
明日のことだって怖い。
ましてや探りながらたどり着く先、やがて来る結末なら怖いに決まってる。
しかしそこはもう一つ強がりを言って立ち上がるのがサムライなのだ。

探してたどり着いて、違っていたと思いまた探し始める、その繰り返しに力尽きたら、
またこの曲を聴いて立ち上がろう。
この曲は究極の輪廻の唄だ。
双六のように何度もふりだしに戻ってはやり直す。やり直すことができる。
そうした本人が唄っているのだ。間違いない。

増子さんは増子さんの場所を探すためにステージに戻ってきた。
望み望まれる場所を探すために。
そしてステージからも求めている。
心よ届け、そして応えてくれと求めている。
そうして、生きてゆく答えを、たどり着く先を、探し続けるのだろう。

この唄を掲げて私もまた求めよう。戻ってきてくれた怒髪天に。
熱い心、熱い魂、吹き出す情熱、燃える愛を、そして何より唄い続けてくれることを。
喰らいつくぐらいに真剣に受けとめる覚悟も準備もできてます、ということも申し添えて。


2002.4.17