In the Soup /
コブクロ / クイナ

2002.8.30(FRI)/札幌KRAPS HALL 【爆走!三角関係】

今月の頭に札幌に帰ってきてからもずっと何かと忙しく、今週頭から体調絶不良の日々が続いていた。
今日のライブの参加も考えちゃう程に。
でも、気持ちは見たい気持ちでいっぱいなのだ。
なんだかんだで、ハァハァゼイゼイ言いながら初めて訪れたKRAPS HALLの列に並んでいた。

In the Soupとの出逢いは3年ぐらい前。
たぶんスペースシャワー見てて、バンドを順番に紹介していくような番組に出てきたような気がする。
その時の印象は、「ボーカルの人が神経質そうで難しそうで、扱いづらそうな感じ」(笑)。
その後ずっと見る機会が無く、だからこそ何となく存在が気になりつつ今年になった。
偶然チャンネルを合わせた「真剣十代シャベリ場」のオープニングで、耳に懐かしい「グリーングリーン」で再会した。
「何ていい声!なんて素晴らしいアレンジ!誰?え?!インザスープ?!」
で、丁度いい具合にあったライブのチケットを買い、その前にインストアライブに足を運び、RSRではいそいそとearth tentへ走り、そして今回。
6月から今日まで、何と2ヶ月ちょっとの間に4回も見ているではないか。
大好きみたい。いや、いいんだけど、「大好き」で(笑)。

普段行き慣れてるライブのよりは遥かに小綺麗で爽やかな人達の列に連なり入場。
何だかWESSが厳戒そうな感じだったので(単に入り口が狭かっただけかもしれんが)、わざわざ了解を得てからロビーへ出てリストバンド購入。
体調が悪いにも関わらず景気づけのつもりでビールを飲む。だからこれが良くないんだってば(笑)。ねぇ。

一番手で登場したのは「クイナ」。
「クイナ」というのは沖縄方言で「飛べない鳥」という意味なんだそうで。名付け親はIn the Soupの中尾ゆうすけ君らしい。へぇ。
そう言えば彼らの曲の中にも「飛べない鳥〜♪」という詞があった。

次は「コブクロ」。
このコブクロ、流行ものはちょっと苦手、という習性からかあまり興味が無かった。
以前大阪の「えびす橋筋」で、黒田くん(大きい方)とすれ違ってまじまじと見上げたことがあってから少し親近感はあったが(笑)。
ところが彼ら、とても凄い。バンドセットは無く、ボーカル二人とアコースティックギター1本というセット。
ハーモニーユニットとはこのようなものなのか、というところをまざまざと見せてもらった。
リードを取る時とコーラスの時の声の出し方の違いが凄い。
曲が始まって一声出しただけで「あ、この曲はこの人がリードだ」とわかってしまう程のスタンスの違い。意識の高さ。
ギター担当のコブチ君のギターが強烈に印象的。
一音一音、腕を下ろすしぐさの一つ一つがとても丁寧で誠実で、こんなに大切そうにギターを弾く人を初めて見たと思える程。
こんなに綺麗な音色が出るのは当然だ、とまで思えた。
ハモニカ吹きながらギター弾いてる人を見て、「ああ、気持ちよさそうだな」と思ったのも初めて。
歌も上手いし、声もいいし、生声で声を出した時がこれまたスゴイ。
いいもの見たなぁ。ありがとう。

で「In the Soup」。
出るなり「アイラブユ〜〜〜!!」。その後「なんか・・・酔ってる?」
ハハハ。酔ってる酔ってる(笑)。
いつもの白いシャツに黒いパンツの中尾くん、「ライジングサンは気持ち良かったねー。」うんうん、気持ちよかった。
吉田君が大きな口を開けて歌いながら叩いている。
こういう光景が大好きなのだ。自分でも気付いている「実はドラマー好き」な部分が反応してるのがわかる。
そして、歌声、ギターを弾く姿、この動き、MC、すべて私のストライクゾーンなのだ。中尾諭介。

「グリーングリーン」。
これで「ブレイク」したと言っていいのだろうか。まだか(笑)。
これまで3度のライブを見てきた経験から、この曲はラストだと思い込んでいるので勝手に「え〜短すぎるぅ〜!!」
と呟いてみたが、終了直後にギター交換するのを見て安堵。
「ムシ」。
「ちょっと我慢して少しだけ休んで イライラしないで肩の力を抜いて そうしてみれば嫌な気分も 少しだけ今夜はささやかな幸せ」
この部分を一緒に歌えて嬉しい。実に清清しい。
「東京野球」「光った汗を僕は信じてる」「青いインクのボールペン」・・・。
途中、楽器トラブルで一時中断。
こんなに喋り上手な中尾諭介くんだから場を繋ぐことなどオチャノコサイサイお茶の子さいさいなのかと思ってたらそうでもなかった。
「ねぇ、吉田君。あ、吉田君は作業中ですね。」当たり前です。ドラムトラブルなのですから。
その合間に少しだけ「バイブレーション」のさわりを。

「最後の曲です。夜のかけ布団」。

天井一面にはりめぐらされた電球がポツポツ点灯して明るくなり、BGMが大きくなり、お客さんが外へ出始める。
「あーーー良かったーーー。あーーーー幸せーーーー。」
ばかりが口を突いて出た。
たとえ具合が悪くてもキンキンにテンション高めて武者震いするぐらいまでの状態で臨んで、終わった後はものすごい達成感というか成し遂げた感、戦い終わった気持ちよさみたいな爽快感で一杯になるライブが多いんだけど、
今日は、ライブで徐々にパワーをもらって元気にしてもらって、柔らかな「幸せ〜」をまとわせてもらった感じ。

たくさんの音楽やライブに触れると、その時々に生まれる自分の色々な変化や感情に気がつく。
こんな自分がいるんだ、こんな風な気持ちになるんだ、こんなことしてしまうんだ・・・。
だから、色んなこととの出逢いは面白い。
あんなに具合悪かったのに、今気持ちはとても上向きで軽くスキップしてしまいたいぐらいに足取りも軽い。
さっきまでちょっと肌寒く、夜も更けてもっと肌には寒いはずの外気がとても気持ちよく、ノースリーブで歩いた今年初めての夜だった。