怒髪天 MOGA THE \5 / NAHT
2002.3.9(SAT)/名古屋HUCK FINN 【FOR UGLY ,FOR BEAUTIFUL #5】
なんとトップバッターだった!!!
18:40頃HUCK FINNに到着するとまだ入場が済んでない。
「1.怒髪天(東京)/2.MOGA THE \5(大阪)/3.NAHT(東京)」という張り紙の(東京)という文字を目にし、わずかながらの寂しさと大いなる誇らしさが胸をひっかく。
時は刻一刻と過ぎ、あっという間に開演5分前。
やっと中に入る。
縦長で、すごーく狭くてすごーく懐かしい感じを湧き起こさせるスペース。ここがHUCK FINN。今日の極楽の場なのである。
とにかく、売り切れる前にと思い、焦ってグッズを買いに走る。
今回出てるのが、胸に「ドハツテン」「男道」と書かれた2種類のTシャツが白・黒の2色、「怒」マークのリストバンド、バッヂセット、そしてMOGAから出てる「FOR
UGLY FOR BEAUTIFUL」特製ステッカー。それらお宝の山を鞄に押し込み、上着を脱ぎ捨て慌てて前へ。
まだそんなにギューギューではないが、まんべんなく人が入っている。
19:10、まだステージには音沙汰が無い。すごく緊張が高まる。
思い起こせば、今日は朝からすごく緊張していて舞い上がっていて、準備万端さぁ出かけるぞ!と玄関でスリッパ脱いだら靴下履いてないわ、やっと靴下履いてブーツ履いたと思ったら家の鍵持ってないわ。何度玄関往復したことか。妙な武者震いが止まらないしな。
名古屋までの近鉄特急の中で、ブリックパックのフルーツジュース、持ち方間違えて中身飛び出すしな。久しぶりだぞ、そんなミス。
19:25、なんか緊張しすぎて気持ち悪くなってきた。脈拍計ってみたら150回/分。早〜い。後で正常時に計ったら60回/分だったから軽く2.5倍。気持ち悪くもなるってもんだ。
ものすごく昂ぶるSEで遂に登場!!
いつものようにリーゼントでバッチリ決まった増子さんの首にはシド・チェーン!そしていきなり「明日をブン殴れ」。
初めてライブで聴くこの曲が1曲目とは。
名古屋ではあまり浸透してないのかな、拳上がる率が低い。まぁ、拳はバロメーターではないんだけども(笑)。
「酒燃料爆進曲」「夕暮れ男道」でいつもの流れに戻った。
「一番大切なものはなんだ?」と問う増子さん。「愛です。」心の中でつぶやく自分。増子さんは「ここだな。」と胸を叩く。
「愛の嵐ぃぃーーー!!!」
このイントロの、ギターとドラムがたまらない。
荒々しいのにきっちりリズムが刻まれるギター、ドコドコと暴れるドラム。
好き放題に散らばってた周りの動きが同じ動きのうねりに変わる。
「孤独に慣れたら少しは強くなる気がしたか 嘘つくなよ この寂しがりの泣き虫が」
無理して知らなくていいこともある。孤独感など、ずっと知らなければそれでいいだろう。
でも、私は増子さんの書く詞を理解できることだけでも、孤独を知ってて良かったと思う。
「孤独に慣れて強くなる気がした」勘違いもしていて良かったと思う。
今ごろはきっと、純情な私の薄暗いワンルームにも愛の嵐が吹き荒れているはずだ。
そして、親指をたてて「今度はきっと〜うまくやれるぜ〜〜!!!」と熱唱すれば、
見る見るうちに目の前に暖かな色の光が降り注ぎ、幸せ〜な気持ちで一杯になるのだ。うまくやれる力が湧いてくるのだ。
それにしても、怒髪天のライブ、ステージを見つめる人たちの顔は、一人残らず楽しくてたまらない顔をしている。
なんて幸せなんだろう。その顔を見てる私も。
どっちが幸せなんだろう。怒髪天の曲を、生で体ごと感じて受け止められる私達と、その笑顔を見て歌う増子さんは。
ま、どうであろうが、私が一番幸せだ。
「今日はみんな、ちょっと得してるよ。新曲2曲もやるからね。」ちょっとどころの得ではない。
近鉄特急の中でフルーツジュースこぼした甲斐があるってもんだ。
「若干、目が下向き加減になるけどね。若干ね。」と言いながらカンペの存在が明かされる。
確かにステージ上はいつもより白い部分が多い(笑)。
1曲目はどうやってもじっとしてられない、踊らせる曲。「ナラクデサカバ」。スペースシャワーのコンピレーションアルバムに入る曲らしい。
そして新曲2曲目。
「父さん」「母さん」という詞が耳を引く。背中を丸め、渾身の力でその言葉を吐き出す姿に熱いものが込み上げる。
昔気質のお父さんが息子に語る男の姿。お母さんが可愛い息子に話して聞かせる男の姿。
増子さんが育ったバックボーンを感じさせる。
それを胸に刻みつつも、ここまで育った自分。
・・・というような内容の詞があったと思う・・・。
(一度しか聴いていないので当然自分本位の解釈オンリー。無責任ですが仕方が無い。感動優先ということで。)
そして「弱いところは弱いままでいいよ、俺達の旅はまだ終わっちゃいない」と唄う。
ステージから身を乗り出し、熱く遠く唄いかける増子さんの姿に自然に拳が握られる。
それはどんどん固くなって、手の平は爪の跡で内出血する。
振り上げない拳は外に力を放出しない分、固く固く内に向かって握られるのだ。
また客の動きが一つになる。「情熱のストレート」。
「ティンティンティンティ〜ン ダダッダッダッダダ!」のイントロでキャーー!!とかウォーー!!とか盛り上がってるのに、
次の「オーーイ!!」にはみんな拳が間に合ってるところが素晴らしい。
この曲では、「スト」「レー」「ト!!」の部分で、右!左!右!と拳を突き上げたい。
今日は心地のいいギューギューさでちゃんと両手が上げられる。拳も喜んでいる。
「死んでもいいいいいーーーーー!!!」ステージ見ながらそう思った。
こんなに簡単に言ってはいけないことだけれど、そう思ってしまう程楽しくて仕方の無い、気持ちを押さえきれない自分がわかった。
当然、まだまだ生きたいし生き続けるのだが。今日の日にこれ程思えればこれまでの日々に後悔はない。
ライブ見ていてこんな風に思ったことがかつてあっただろうか。
うん、あった(笑)。あったけど、さらにさらに楽しいライブがあるからまたこんなこと言ってる。本当に楽しくて楽しくてそう思った。
2002年3月9日時点では、今日の怒髪天が間違いなく未だかつてない楽しいライブだ。
以前、スカパラのライブで、近くにいた、一人で見に来てた女の子が突然、履いてたブーツを空中に放り投げながら
「たのしーーーーーーーーーい!!!」と、絶叫したのを見た。「本当に楽しいね。」その光景を見て私もそうつぶやいた。
そこまで気持ちを震わせられることに出逢って、解放できたことは本当に素晴らしい。本当に嬉しい。
1バンド終わったというのに人の動きがあまりなく、演奏中でないのにダイブできるだろうというぐらいの密集具合。
ドリンクもらいに行くのも大仕事で、結局、買ったTシャツが詰め込まれてる自分の荷物にたどり着けずに、ドリンクカウンター近くの物販で「ドハツテン」Tシャツもう一回買って着替えた。
増子さんが出てきて物販に入る。
何気なく周りに人が集まり、和やかに会話が始まる。温かいな。増子さんも、怒髪天も、取り巻く人たちも。
その光景見てるだけで自然に微笑みがこぼれる。
25分遅れたのが仇なのか、新幹線へのタイムアウトで、ラストのNAHTの途中で出てきてしまった。
今日のセイキさん、めちゃめちゃカッコよかったからもったいなかったなぁ。
でも、出るなりずっと走ってギリギリ間に合ったからあそこでの決断は成功だったと言える。
怒髪天がラストじゃなくて良かったよ。ほんとに。
ありがとう。
心底楽しいライブ、特別に新曲2曲もやってくれたこと、幸せな空間、温かいふれあい、そして熱い魂。
ありがとう。すべてに。
ずーーーっと、ずーーーーーーっと、増子さんに怒髪天に、ありがとうと言い続けていたい。これからもずーーーーーっと。ずーーーーーーーっと。
とりあえずは、明日ってことで。
ちなみに。ライブ中、ライブ後と、清水さんが飲みつづけていたビールはキリンの発泡酒「極生」でした。