あえて荒野をゆく君へ

ライブでは一度も聴いたことの無いこの曲。
願っても願っても手が届かない、その感じが余計に心をかきたてるのかもしれないけれど、それだけじゃなくすごくいい。
何と言ってもいい。電車の中で聴いてても涙が滲み出るほどいい。ライブでやられたら号泣必至。
悔しいけれど、私にはどう駄々をこねても手に入れることのできない、男の友情が語られてもいる。

道標のない さまよえる旅人たちは
心を燃やし道を 照らしまた夢を見る

誰も指し示してくれはしない、何処にも行き先など書いてはいない、たどり着きたい夢の前に広がる荒野。
自分の、求めたいという願いひとつで足を踏み入れる。
歩きつづけた旅の途中で夢への道を見失った時、それでも進み続けたいと、その方向を探し求めてさまよう。
そんな時は心に燃える情熱という火に尋ねてみる。
夢を想って熱く燃える情熱の火が、自分の進むべき道、「夢」へ向かえる道を照らしてくれるのだ。
そうして見えた、自分の前に伸びる道を再び歩きつづけるのだ。
また道が見えなくなって立ち止まっても、火種があればまた燃やせる。道は照らせる。歩いてゆける。
何度でも何度でも、またその一歩を踏み出せる。

ガードレールの上をどこまで行けるか缶ビール賭けてみたり、夕暮れの口笛に涙ぐんでみたり、
そうやってさまよう旅人たちは、夢を見るためにたどり着くために、情熱の火ひとつであえて荒野を歩き続けるのだ。

2002.3.21